
眩しい光はお茶の大敵?!光を制して鮮度を守れ!【#匠の技】
鮮度に挑戦し、「おいしい」と日々戦う匠たち。今日は、キラリと光る光にまで 厳しく目を光らせる、開発の匠のお話。
どのような商品も、世の中に出る その舞台裏には、多くの人々の、それぞれの立場から戦わせる意見、試行錯誤、まさに「産みの苦しみ」を経て誕生します。「たかがお茶、されどお茶」緑茶飲料の可能性を信じ、困難に立ち向かった人たち。
鮮度は続くよ ココまでも
キャップを開けた瞬間、一番おいしくお飲みいただくために。「お~いお茶」には「鮮度」への6つのこだわりがある。
▼1.「鮮度茶葉」2.「鮮度保持火入れ」3.「鮮度保管」火入れの妙を極めた匠のお話はコチラ
▼4.「鮮度抽出」5.「鮮度充填」おいしさの瞬間と日々戦う匠のお話はコチラ
6.「鮮度ボトル」
「お~いお茶」鮮度への6つのこだわり。最後を飾るのは「鮮度ボトル」と言う。若竹のように緑鮮やかな「お~いお茶」のペットボトル。実は、予想外の進化を人知れず?遂げていたというので、お茶実、またまた、静岡にて突撃取材です!
訪ねたのは、前回に引き続き「お~いお茶 愛」ハンパない開発部の坂田さん。
明るい・綺麗??LED照明とお茶の関係

怪しい・・・。怪しすぎるっ。「お~いお茶」好きすぎて、空ボトルにまでスポットライト当ててみたりしちゃっているのか??失礼を承知で聞いてみた。
お茶実:「坂田さん。ま、ま、まさか。お~いお茶好きすぎて、スポットライト当てて写真撮ってるんですか?」
坂田:「笑。いえいえ、お茶実ちゃん。これは、お茶の大敵 光と、鮮度を守るペットボトルとの関係を、見せてあげようと思って。」
お茶実:「光?取材したことがあります!5つの大敵のことですね?」

坂田:「そう。その光について、近年とっても気になることがあってね・・・」
そう言うと、おもむろに、2016年頃の店頭の様子を写した写真を見せてくれた。

省エネ効果の高いLED照明。2011年を契機とした電力需給逼迫に対する懸念の高まりを背景に、需要が拡大。街中のありとあらゆる照明が、LED照明に急速に切り替わっていた。それは、ご多聞に漏れず、店頭に並ぶ「お~いお茶」も、眩いばかりの光にさらされるようになったということ・・・。
坂田:「お茶実ちゃん。上の写真を見て、何か気がつきませんか?」
お茶実:「ん~。なんか竹ボトルの色がとっても鮮やかに見えます!」
坂田:「そう。これは、LED照明を使った店頭の写真なんです。LED照明は、とっても明るく「お~いお茶」の竹ボトルも色鮮やかに引き立って見えますよね?でも、私はこのLED照明の眩しさがとても気がかりで、調べてみたんです。」
お茶実:「照明の眩しさ?」
坂田:「そう。今まで店頭で使われていた蛍光灯は、全方向に光が発散されるから、ある意味眩しくない。一方で、LED照明は特定方向に集中して光が出る直進性が強いのが特徴。だから、LEDの光は眩しく感じるんだそう。」
坂田:「このLED照明の 直進性が強い 眩しい光という特徴が、お茶の鮮度に影響してしまうんじゃないかと考えたんだ。」
光を征して鮮度を守れ!

そこで、坂田は、一般的なペットボトルにLEDライトを照射してみた。すると、直線的な強い光がペットボトルを貫いた!
坂田:「こんなに強い光が一点に集中したら、お茶の光劣化(光による酸化)を招いてしまう!LED照明の光の強さに正直驚きました。」
お茶実:「でも、店頭の照明は、どんどんLEDに替わっていったんですよね?いったい、どうしたんですか?」
坂田:「光をブロックする方法、光を拡散する方法、色々考えました。そんなある日、窓辺に並ぶ江戸切子のグラスを見て、これだっ!って、閃いたんです!」

「江戸切子」にあたる光の乱反射は、飲み物を美しく・おいしく魅せる。グラスにスマートフォンのLEDライトを当ててみた。ビンゴ!グラスの中に広がる光は、分散している!
そこで、店頭でLEDライトにさらされるペットボトルの肩部に、江戸切子のような工夫をすることにしました。それが「鮮度ボトル」。

その数、なんと70本!
▼LEDの光を乱反射させ、お茶の鮮度を光から守る。そんな「鮮度ボトル」のヒミツはコチラ
(取材を終えて)
お茶実に光の乱反射を、どうしても見せてあげたいと言う坂田さん。一生懸命、スマートフォンのライトで模擬実験。

お茶実:「はい。ん?ど、ど、ど、どの辺?」

お茶実:「あ!あれ?今、一瞬見えた気がしますっ!」

お茶実:「おおおお!ボトルのギザギザで乱反射して柔らかくなった光で美しく机にシルエットが!」
「お~いお茶」の「鮮度ボトル」が、LEDの強く直線的な光を、見事に美しく乱反射させている。なんだか、坂田さんもお茶実も大満足。
実際は・・・

実際の試験では、上の写真の機械でLED光を当ててお茶の品質への影響を評価しています。ペットボトルの状態を評価しているだけでなく、中に詰められている「お茶の鮮度」が守られているかも、しっかりチェックしているんですね。
今日も、坂田たちが開発した70本のギザギザが、お茶の大敵 光から「お~いお茶」の鮮度を守っています。
最後に・・・
坂田:「でもね、お茶実ちゃん。LED照明は、決して悪者ではないんです。(省エネなど)時代に求められた変化として、私たちの暮らしの選択の幅を広げてくれました。実際、商品もきれいに映えますし。だから私たちは、これからも その時代の環境変化に対応し、お客様の生活に寄り添って「お~いお茶」を進化させていこうと思います」
さて。まだまだ、寒さが続きますが、茶畑では、そろそろ春の足音が聞こえて来る頃。「お~いお茶 専用茶葉」がスクスク育つ茶畑からの「お~いお茶裏ばなし」は3月公開!お楽しみに!
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