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鮮度は続くよどこまでも 「おいしさの瞬間を読め!」【#匠の技】

おいしさの瞬間と日々戦う匠が、静岡県 伊藤園 開発部に居るという。今日は、誰に聞いても「お~いお茶 愛」ハンパなし!その愛は海より深いと言われている、開発の匠のお話。

どのような商品も、世の中に出る その舞台裏には、多くの人々の、それぞれの立場から戦わせる意見、試行錯誤、まさに「産みの苦しみ」を経て誕生します。「たかがお茶、されどお茶」緑茶飲料の可能性を信じ、困難に立ち向かった人たち。

鮮度は続くよどこまでも

キャップを開けた瞬間、一番おいしくお飲みいただくために。「お~いお茶」には「鮮度」への6つのこだわりがある。

1.「鮮度茶葉」2.「鮮度保持火入れ」3.「鮮度保管」火入れの妙を極めた匠のお話はコチラ

4.鮮度抽出

「急須でいれたお茶って、おいしいよね」お茶実は、今日もコタツでお茶を飲んでいると、ふと、1つの疑問が浮かんだ。そう言えば・・・「お~いお茶」は、世界初の急須式抽出機で抽出しているって言ってたっけ?映像でみると、とにかく大きい。こんなに大きな機械で、なんであの繊細な味が出せるもんだろか・・・?? お茶実の探求心に火が点いた!「そうだ、静岡に行こう!」おいしさの瞬間と日々戦う匠 坂田を訪ねた。

▼1秒1℃の戦い、「お~いお茶」と急須式抽出のおはなし。【#開発裏ばなし】はコチラ
 https://note-itoen.itoen.jp/n/nb0d1538de74a

お茶実が向かった先は、「お~いお茶の抽出の最前線」の、とある飲料工場。 

優しい笑顔で迎えてくれたのは開発部の坂田。開発一筋14年。誰しもが認める「おいしさの瞬間を見極める匠」だ。

坂田 匡孝 急須に残った出がらしを食べてしまうほどのお茶好き

突き詰めたその先に「飲む瞬間のおいしい」がある

案内された先に現れたのは、巨大な急須式抽出機!!

「世界初の急須式抽出機」一度に◎リットルのお茶を抽出できる。一般的な家庭の湯舟◎杯分?!

おいしい香りを、あたり一面に広げて滝のように流れ出るお茶!おおおお!圧巻。ま、ま、ま、ま、まさか。これが、急須?!え~~~~~!まるで、大きなお風呂じゃないか!やっぱり、「お~いお茶」の、あの繊細なお茶の味を想像できない・・・。お茶実が急須で一杯一杯丁寧に入れるほうが美味しいんじゃない?失礼を承知で聞いてみた。

お茶実:「坂田さん!急須式抽出機っていっても、いくらなんでも大量に一気に抽出するんでしょ?ぶっちゃけ、お茶実が、急須で一杯一杯丁寧に入れるお茶とどっちが美味しいと思います?」

坂田:「笑。お茶実ちゃん。その答えは、どちらも飲むその瞬間が一番おいしいなんですよ。」

お茶実:「ん?飲むその瞬間?」

坂田:「そう。リーフ製品のお茶は、急須で入れてすぐ飲むから、その瞬間に最高においしい状態になるように仕上げてある。それとは異なって、ドリンク製品のお茶は、この巨大急須で抽出し、ペットボトルに詰め込んだ後、お店に運ばれるでしょ?そこでやっとお客様のお手元に届く。つまり、キャップを開けお飲みいただく瞬間と、急須で入れてすぐ飲む瞬間。おいしさのタイミングが違うんです。

言われてみれば。リーフ製品とドリンク製品。お茶をおいしく飲む瞬間が違うのか。ん?でも、どちらも急須にお茶の葉を入れてお湯を入れて抽出?どうやって、違いをだしているんだろう?その一つの答えが「鮮度抽出」にあるらしい。

むむむ。ぽっと香りが変化するタイミングがあるのか?!このタイミングさえ分かれば、お茶実にもペットボトルのお茶が入れられるということか??

お茶実:「坂田さん!ペットボトルのお茶を入れるのに、一番難しいポイントって何ですか?おいしい抽出ができた瞬間の見極めですか?」

坂田:「そうですね。その香りの瞬間を見極めることができるまでに、かなり鍛錬を積みました。でもね、もっともっと難しいポイントがあるんですよ。それは、先をよむこと。」

お茶実:「先をよむ???」

先をよむ。さらに深まる謎。それを、教えてくれると向かった先は、静岡の伊藤園研究棟にある開発部だった。

「キャップを開けて飲む瞬間のおいしい」からの逆算

ストップウォッチと温度計が必須アイテム

坂田:「お茶実ちゃん。これはね、あの大きな急須式抽出機を縮小した試作用機です。今は、火入れの匠によってドリンク用に仕上げられたお茶の葉を、何℃のお湯で何秒抽出するかを決めているところ。お~いお茶のうま味、香りに仕上げるためには1秒1℃の微調整が必須なんです。」

お茶実:「なんと!またしても1秒1℃の戦いが?!」」

この、ぽっと香りが変化するタイミングなんだ!

坂田:「ちょっとこのお茶飲んでみてください。いつも飲んでいるお~いお茶の味ですか?」

そう言って、たった今、試作用急須式抽出機で抽出したお茶を手渡された。

お茶実:「ごくごくごく。むむむ!おいしいですっ!でも、なんか、ちょっといつもと違う。しいて言えば、強め?」

坂田:「そう。出来たては、香りもうま味も、お茶の鮮度がびんびん伝わってくるぐらい、色んな要素の主張が激しく、個性強めのおいしさがあります。それはそれでおいしいんです。でも、お茶は自然の農作物。時間とともに、おいしさの主張が変化します。角が取れたまろやかな味わいになったり、渋みが主張してきたり・・・。私達がお客様にお届けしたいのは、店頭からお客様の手に渡り、キャップを開けて飲む瞬間、一番おいしい なんです。つまり、その瞬間から逆算したおいしさを見極めなくてはなりません。」

つまり、おいしさの瞬間と日々戦う匠は、実は、抽出したその瞬間のおいしさがどのように変化して、お客様がキャップを開けて飲む瞬間のおいしいにつながるか、常に先を予測、逆算しておいしさを作り上げる匠でもあったのです。

5.鮮度充填

人間にとって酸素は必要ですが、お茶にとって酸素は大敵。お茶を酸化させてしまい、風味を損なう原因になります。そこで、「お~いお茶」は缶やボトル上部のスペースから酸素を除去する「T-Nブロー製法」を進化させて酸素からお茶を守っています。

これで満足しないのが、坂田を中心とした伊藤園の開発部メンバー達。

 な、な、なんと!抽出したお茶の中に含まれた酸素も極力取り除いちゃったっと言うのだから驚きです。

それほどまでにして、鮮度に挑戦し、酸素と戦う開発の匠たち。実は、まだその先にお茶の大敵が待ち受けています。それは、!次回は、その大敵 光に対抗するべく開発された「鮮度ボトル」のお話。

(取材を終えて・・・)

しかし、ここまでで坂田さんがお茶にめちゃくちゃ真剣であることは分かった。 だから、これだけは聞いておきたかった「坂田さんにとってのお茶って何ですか?」

すると「個人的に煎茶道を習いにいっているんですが。歴史だけではなく、お茶は人として成長させてくれるものだと思っています」との返事。

お茶実も、もっともっと取材して、勉強して、お茶で成長したいです!

そして・・・「お~いお茶 愛」ハンパなし!って言われているだけある。「お~いお茶」ブランドのキャップをリサイクルして、坂田さんが作ってくれたのは?!お茶実のお兄ちゃん!!「坂田さん!お隣に私も作って~」と密かに願うお茶実でした。

制作期間9ヵ月。その間につけられたあだ名は「キャップ兄さん」


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