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お~いお茶前々夜 vol.03【#開発裏のウラばなし】 昭和編

年末・年始にかけてのスピンオフ。先週に続いて第3話。世界初の飲料を生み出した、商品企画担当者 ニックネーム「お~いお茶雄(通称:お茶雄)」に、入社当時から緑茶飲料開発担当になるまでを語ってもらいました。名付けて「お~いお茶前々夜」。昭和の昔ばなしで恐縮ですが、開発裏のウラ?!ばなしをお届けしています。

▼前回までのお話

「公平」と「公正」若手社員を揺り動かす

日本一の華々しいカンバンの裏には、市場衰退の足音が大きくなっていました。さらに、地域に代々根を張っている町のお茶屋の社長さんクラスと対峙するのが若手営業員ときたら苦戦を強いられる。そんな厳しい職場で、退職していくものも出ていました。

退職者がいるというと、普通は荒れた職場を想像されると思います。すさんだ空気、または活気のない沈んだ雰囲気。

 しかし、私の印象では違っていました。

確かに退職者はいた。会社もそのことを認識していて、社員を大切にする姿勢を貫いていました。数々の表彰制度、抜擢、海外研修制度、ガラス張り経営、実力主義・・・、経営陣の本気の気遣いが感じられました。

1982年伊藤園入社案内より 当時の仕事の様子

だから、たとえ退職者がいたとしても、明るさを失わない

公平と公正」という言葉をよく聞きました。社員を一律に「公平」には扱わない。よくやる者と、そうでない者では、明確に評価を分ける。それが「公正」。「う~ん。なるほど。」私は妙に納得していました。

それと、私の配属された営業部署の支店長が正しさを貫く方でした。

販売目標の達成が困難で、追求も厳しいと、ややもすると良からぬことが起こりうるものだと思います。世間で言うところの架空売上、空伝票?しかし、支店長はそんなことを一切許しませんでした。一度の不正が慢性化を招き、どれほど職場のモラルと信頼を失うか、知悉していたのでしょう。

お蔭で、厳しくても苦しくても、正しい商売を貫くことを教わりました。

また、苦労の絶えない環境下では、ぶつかり合うことが頻発するのですが、そんな職場でも真に立派な人はいるものです。

時に厳しく、時に温かく部下の面倒を見る上司。

退職者の穴埋めにも厭な顔一つせず、仕事をこなす者。

荷受け・荷捌きなどの皆が嫌がる作業を率先する者。

部下の不祥事に身を張る上司。

ぶつかり合って普段はバラバラに見えても、会社の名誉にかかわる場合の強烈な団結力。

心から尊敬できる、立派な人はいるものだと知りました

しかし、市場の縮小と荒波、そして、まだまだ十分に企業やブランドの認知をいただけているとは言い難かった状況は、若手社員にとってことのほかダメージが大きかったようです。3年後には入社同期生の多くが会社を離れていきました。

明日は、お茶雄の転機となった昇格面接のお話。



 


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