お~いお茶前々夜 vol.05【#開発裏のウラばなし】昭和編
2021年も残すところ、あと3日。年末・年始にかけてのスピンオフ。世界初の飲料を生み出した、商品企画担当者 ニックネーム「お~お茶雄(通称:お茶雄)」に、入社当時から緑茶飲料開発担当になるまでを語ってもらいました。名付けて「お~いお茶前々夜」。昭和の昔ばなしで恐縮ですが、開発裏のウラ?!ばなしをお届けします。
▼前回までのお話し
商品企画担当者に欠かせない声
七転八倒を繰り返しながら、1984年 「お~いお茶」の前身となる世界初の緑茶飲料の開発に至ったのですが、規格・品質・パッケージなどの商品まわり、商標・特許など知的財産、パンフレット・案内書などの社内外向け販売促進、広告関連、生産指示………、何から何まで、全て1人でこなさなければなりませんでした。
中でも、最も時間を要した業務がありました。それは、「お客様相談」。お客様相談窓口には、当時まだ業容の小さかった当社でも、年間1,000件ほどのお問い合わせをいただきました。
そのうち、当時は約3割が、いわゆるご指摘(品質に対するご不満や、包装不良などが含まれます)。 これも、商品企画の大切な仕事でした。
1日に平均すると3~4件、ご指摘が約3割、毎日受けるのです。一番下っ端の私に、全て回ってきます。私は、「すぐにお伺い」を是として、ご連絡をいただいたら、すぐに駆けつけました。まず、お詫びして状況を伺い、調査をお約束し、商品を回収。後日、先様のご都合によって、訪問またはお手紙で調査報告をするという流れ。品質管理部門の意見を聞きながら調査するのですが、1件1件、随分時間がかかります。
しかし、「なるはや かつ 誠心誠意」。これで、問題がこじれることはなかったと断言できます。むしろ、なぜお客様はお叱りになられたのか?商品の企画を担当する者にとって、これ以上のない生きた教訓をいただきました。
お客様に教わったのはこんな大原則。
これは私の財産です。教科書からは絶対に学べないことが、現場にはあります。誰かの伝聞ではなく、お客様と直に接することで、学ばせていただく。ポリシーを決定づける生きた実学なのです。
一生懸命対応していると、はじめは激しくお怒りで取り付く島もなかったお客様が、むしろ逆に気遣ってくださいました。「兄チャンようやるナ~」「分かったヮ」「頑張りャ」と。
涙を必死にこらえたことは、一度や二度ではありませんでした。
明日は、寝る間も惜しんで仕事に没頭したお茶雄のお話。