
土づくりからコダワリたい!その一心で入社しちゃいました!【#おいしさの秘密 #茶畑】
入社式「この会社で、自分は〇〇がしたい!」と夢を持って、門戸をたたく新入社員のみなさんも多いのでは?今から6年前。「とにかく、自分はおいしいお茶の樹を育てたい!だから、その土づくりにとことん関わりたい!」志を胸に、伊藤園に入社した1人の若者がいた。
「たかがお茶、されどお茶」
お茶の可能性を信じ、困難に立ち向かった人たち。
今日は、土にまみれて日々奮闘する農業男子?! のおはなし。
お茶への偏愛は天下一品!志を胸に門戸をくぐる
伊藤園は、長年培った茶栽培技術や経験を活かし、飲料、リーフ、ティーバックそれぞれお飲みいただくシーンでの、最もおいしいを追求し、お茶生産者のみなさまと共に、茶畑から「お~いお茶」に最適な茶葉を育てています。
お茶生産者のみなさまとともに歩みを進める「伊藤園 茶産地育成事業」。次回にその裏ばなしをご案内いたしますが、本日は「お~いお茶」のおいしいを茶畑からお届けすべく、日々汗を流す「農業技術部」の匠をご紹介。
農業技術部は年間の多くの日を茶産地で過ごします。その中でもひと際、お茶への偏愛っぷりが独特な農業の匠 水落がいると聞き、興味津々・・・お茶実は、静岡県にある茶畑に向かった。
▼「茶産地育成事業」について詳しくはコチラ
「水」のプロは、「土」の匠を目指した?!
広大な茶畑を想像して、ウキウキ気分で到着したお茶実。待ち合わせ場所を訪ねると、そこは、一面「土、土、つち?!」。


水落:「お~い‼ あぶないよ~‼」

お茶実が振り向くと、大きなトラクター!
泥が付いた作業着に帽子。どこから、どうみても農家の優しいお兄さん。トラクターで登場したこの青年こそ、農業の匠 水落だ。
水落:「こんにちは、お茶実ちゃん。水落です。」
お茶実:「あなたが(お茶への偏愛度がハンパないとウワサの?)水落さんでしたか!今、何をされていたのですか?」
水落:「古くなった茶畑を生まれ変わらせているところです。ここ、静岡県袋井市は、年々耕作放棄地が増加。そこで、伊藤園は地元企業とともに、耕作放棄地や古くなった茶畑を整備・改植して、作業効率を高めた広大な茶畑に生まれ変わらせていく「茶産地育成事業(新産地事業)」を行っています。2040年までに100ヘクタールにまで広がる予定で、日々、こうやって基盤となる土づくりから茶畑の造成を行っているんです。」
お茶実:「茶畑をイチから造っちゃっているんですね?スゴイ!!水落さんは、もともと「土づくり」のプロだったんですか?」
水落:「いえいえ。実は、私、学生時代の専攻は「水」だったんです。水資源を対象とした研究室に所属し、大学院まで土木(環境工学)を勉強していました。河川の利水や治水、ダムの設計や河川中の有機物の挙動など、多岐にわたることを学んでいました。東南アジアを対象に現地調査も行っていたんですよ。」

お茶実:「水のプロだったのに?う~ん・・・なぜ、土づくりの匠を目指すことになったんですか?」
水落:「就職するなら、人の生活に近い職業であること。日々の健康に貢献すること。日本文化に携わることをしたいと考えていました。」

水落:「私の実家は、福岡県の茶産地 八女市にあります。学生時代も、毎年茶摘みを手伝っていました。年々、廃業するお茶の生産者さんも多い中、「よし!日本の文化であるお茶を自分で育てて、日本の農業に貢献しよう!」と思ったのがきっかけです。そして、おいしいお茶を育てるには、もちろん水も重要。でも、もっと根本から関わりたい!そうだ!土づくりだ!と思いを巡らせました。それが、「水」から「土」へのコダワリの転機でした。」
はじめの一歩
お茶実:「日本の農業に貢献!って伊藤園に入社して、晴れて農業技術部に配属されたんですね。」
水落:「それが・・・開発部でした。」
水落:「正直、最初は戸惑いがありましたが、今後、自分でお茶を育てることを想定するなら、育てた茶葉が、どのように飲料になるのかを学んでおく必要もあるなって思い、前向きにやるようになったんです。」

お茶実:「開発部?もしや、あの「お~いお茶愛」ハンパない匠の坂田さんがいる部署ですか?」
水落:「そうです!私も大のお茶好きですが、坂田さんからは、お茶を愛する精神をビンビン感じました。」
▼開発の匠(坂田)のおはなしはコチラ
念願の部署への異動は、到達点ではない
お茶を愛する気持ちが年々高くなってきていた入社4年目の春。水落は、農業技術部に異動を命じられる。
お茶実:「念願の部署に配属されてどうでしたか?」
水落:「想像以上に辛かったですね(笑)。お茶の樹が病気にならないよう気を付けなくてはなりませんし、ひとたび台風が来ると海からの影響による塩害や、集中豪雨など、本当に気が気ではなかったです。寝ても覚めてもお茶の葉のことを考えていました。今もですけど(笑)。」
来る日も来る日も、お茶の生産者のみなさまと共にお茶の葉に向き合う、水落。でも、心の奥底にはもっと根本「土づくり」への情熱の灯は消えずにいた。
明日から農家だ!お茶への愛はココに至る
ある日。水落に「静岡県袋井にある、茶産地育成事業に関わっていただいている地元のお茶屋さんに出向してほしい」と内示が下ります。
お茶実:「どんな気持ちでしたか?」
水落:「1年以上、日々何をやるのかわからない不安は少し感じていましたが、反面とても❝わくわく❞もしました。農業技術部とはいえ、さすがに1年中は茶畑や農業をするわけではありません。1年中、茶畑でお茶に関われる。本当に明日から農家だ!と胸が熱くなりました。」

お茶実:「始めは慣れないことばかりじゃなかったですか?」
水落:「恥ずかしい限りですが、ダンプを溝に落としたり、側溝に自分自身落ちたこともあります(笑)。でも、今では、ちょっとした機械の故障は自分で直せるまでになりました。」
お茶実:「え?! 機械も直しちゃうんですか?」
水落:「そうなんです。お茶実ちゃん。私は今まで、たくさんのお茶の生産者さんを見てきました。お茶の生産者は年々減少しています。その理由の多くは、就農者の高齢化が原因だと思っていたのですが、実は、機械が壊れて修理するのが面倒だからという声もとても多いんですよ。自分で修理できれば良いのですが、故障の原因が分からなかったり、高額な修理費が発生することで、農家をやめる人も多く見てきました。だから、農業を本格的にやってる中で、機械の修理技術も高めることも重要だなと、学んだんです。」

農家 水落 大介
お茶実:「他にもどんな、お仕事をしているのですか?」
水落:「お茶だけではなく、お茶の栽培作業が落ち着いてる時期はネギを育てています。」

お茶実:「ネギーーー!お茶以外にもいろいろな作物を育てているんですね。」
水落:「お茶の育成につながる発見もあり、日々勉強の毎日です。農業はとても大変です。泥だらけになるし、雨の日も風の日も、真夏の灼熱の日も、畑に行きます。収穫前や摘採中は休み返上で、朝から遅くまで畑に貼り付きます。ちゃんと、おいしいものが作れているのか、気が休まりません。」
水落:「でも、お茶を愛する気持ちがあるから、毎日楽しく過ごせています。」
これからの夢
お茶実:「水落さんが、これからやりたいことや夢はありますか?」
水落:「肥料や機械を動かす重油の高騰、お茶の価格の低下などお茶の生産者を取り巻く環境は厳しくなっています。結果、お茶をやめる生産者が多く、耕作放棄地が全国に増えつつあります。茶産地育成事業で新産地や契約栽培でご協力していただいている「お茶の生産者の方々が笑顔でいてくれること」これが私の夢です。笑顔のある茶畑から、おいしい「お~いお茶」をたくさんお届けしたいです。」
水落:「あ!明日は新しい茶畑に植樹するから、お茶実ちゃんも見においでよ!」
お茶実:「ぜひ!見に来ます!楽しみ!!」
取材を終えて・・・・
翌日、お茶実と水落は一緒に、新しい茶畑にたくさんの幼い茶の樹を植えました。汗と泥だらけになった水落の笑顔は、茶畑に負けないくらい清々しく、1本1本丁寧に植えたお茶の樹は、これから何十年も、「お~いお茶」のおいしい茶葉を作ってくれると確信したお茶実でした。
お茶の樹1本1本、お茶の葉1枚1枚に、お茶を愛する人たちの想いが宿っているんだな~とお茶実は思いを馳せて「お~いお茶」を一口。今日も、おいしい。
次回は、おいしさの秘密基地 「茶産地育成事業」の茶畑から、未来につながるお茶づくりのおはなし。