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「青くさい」ではありません「青臭い」です‼ 自然の摂理に向き合う開発担当者の七転八倒【#開発裏ばなし】

「う~ん。なんだろう。キミ!青くさいよ!」「ん~まだまだ、青いなぁ・・・」そんな言葉が交わされる室内。ようやく世界初のペットボトル入り緑茶飲料の発売に至ったにも関わらず、「お~いお茶」の商品企画開発の現場には、担当者達の悶々とした空気が流れていた。

どのような商品も、世の中に出る、その舞台裏には、多くの人々の、それぞれの立場から戦わせる意見、試行錯誤、まさに「産みの苦しみ」を経て誕生します。「たかがお茶、されどお茶」緑茶飲料の可能性を信じ、困難に立ち向かった人たち。

着色や着香、味付けなど一切しない、「自然なままのおいしさ」のペットボトル緑茶飲料「お~いお茶」が誕生。ようやく発売・・・と、言いたいところでしたが、もっともっと根本的な問題が潜んでいたのです。

今日は、自然の摂理に向き合う商品企画開発 担当者達の七転八倒のお話。

「青臭い」と言われて・・・。茶畑で摘んだその瞬間から始まる次なる闘い

「青くさい」と言っても、経験不足という意味ではありません。そう、「青臭み」。緑茶のおいしさを打ち消す「不快な香味」こと。緑茶の成分は、味の良い成分ばかりではないんです。業界では「青臭い」とか、「青臭み」などと呼んでいます。

茶畑で摘み取った茶葉は、摘まれたその瞬間から発酵が始まります。そして、同時に新鮮とか、清々しいとは全くかけ離れた不快な香味「青臭み」を放ちます。同じ「青い」という表現でも、摘みたての鮮度香とは、全く異なるものです。この「青臭み」や発酵を止めるために、一次加工段階(荒茶工程)を施すわけですが、この時点では、まだごく一部原因が潜んでいて、時間が経つとともに再出現・・・悪さを働く。いかに、摘み取ってすぐに、その発酵を抑えるか。鮮度との勝負が待っているのです。

【一次加工(荒茶工程)】

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自然の摂理 植物の悲鳴?!

「青臭み」この現象は、お茶に限ったことではありません。植物一般に見られると思いますが、植物は体が傷つけられると、独特のいやな香りを発散します。植物固有の身を守る反応。傷つくと、植物は声なき悲鳴をあげるって感じでしょうか。体内にばい菌が入ることを防ぎたいし、または、動物を遠ざけて、身を守りたい。だから、防衛反応でいやな香りを発散する、声なき悲鳴のようです。

ですから、生の葉っぱを摘んできて、そのままお茶にしたところで、決しておいしいとは言い難い。

◆◆「青臭み」模擬実験 やってみた◆◆
実は、この「青臭み」。身近な物で、体験できます。葉っぱを摘み取ったり、ちぎった際に香るあの青い香り。

はっぱⅠ

▲葉っぱさん。ごめんなさい・・・。ビリビリビリ

はっぱ2

▲クンクンクン。うっ!・・・・・・。く、臭い

こ、こ、こ、これが「青臭み」か!!

「たかがお茶、されどお茶」

着色や着香、味付けなど一切しない、「自然のままのおいしさ」のペットボトル入り緑茶飲料を作り上げるには、青臭みの解決は不可欠です。

これをいかに防ぐか?

ただし、急須で煎れてすぐに飲まれる分には何の問題もありません。一次加工(荒茶工程)を経て、その後 香味を高める仕上げの工程(火入れ工程)を施すことで、青臭みを抑え、うっとりするような良い香りに仕上げています。

【仕上げの工程(火入れ工程)】

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▼詳しい荒茶・火入れ工程はコチラ

http://www.ocha.tv/how_tea_is_made/process/schedule_ryokucha/

ところが、この「青臭み」、とてもしつこいんです。潜んでいてなかなか消えない。それどころか、ペットボトル飲料にすると、時間の経過とともにおいしさをどんどん打ち消していく。飲んだ後にイガイガ、不快感が残るし、下手をすると、舌がしびれてしまう。カテキンの心地よい渋味とは、明らかに違う。

表面的に解決する方法はありますが、本質的に取り組まないと解決しない。とっても厄介なものだったのです。

「お~いお茶」のお茶っ葉には、緑茶飲料発売以来36年の悪戦苦闘と想いが詰め込まれています。着色や着香、味付けなど一切しない、「自然のままのおいしさ」には、原料茶の栽培から、火入れ、抽出、ボトリング、ありとあらゆるところで、担当者達が七転八倒しながら、今もなお取り組んでいます。お茶っ葉のお話は、もう少し続きます。そのお話は、また今度。

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