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実は!伊藤園で最も長いプロモーション「お~いお茶新俳句大賞」についてのお話し【#伊藤園お~いお茶新俳句大賞】

1989年にスタートした「お~いお茶新俳句大賞」

「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」は、1989年にスタートしました。伊藤園の売上高が500億円目前となり、それまで販売していた「缶入り煎茶」という商品を、「お~いお茶」にリニューアルした節目の年でした。当時、広告宣伝費はほとんどなく、それでも何かできることはないかと思案していました。そんな時代に、沢山の方々のご支援を得て生まれたプロモーションが「お~いお茶新俳句大賞」でした。

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▲初期の募集新聞広告

本日は、先月発表された第三十二回の入賞作品と審査会の舞台裏をご紹介!!!

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第三十二回 文部科学大臣賞

「花鳥風月私はここに海入れる」 

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▲滋賀県の学生さんがよまれた一句

第三十二回は2,057,963句もの応募を頂きました。

そんな入賞作品が選ばれる、最終審査会の裏側をご紹介します。

冊子

▲最終選考会の冊子には、選考の対象となる沢山の句が掲載されています。

会場には墨汁の香りが・・・条幅紙に、入賞作品が次々とが書き起こされていきます。

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▲入賞作品が筆で次々と書き起こされている様子。

白熱の最終選考会

※審査に関連するやりとりは一部言葉を変更させていただきます

「1番の句…2名」「3番の句…4名」「5番の句…1名」「6番の句…1名」、
という事で、3番の句が「○○賞」でよろしいでしょうか。と、司会が進行したその時でした。ある先生が挙手。

「3番の句が悪いという事ではありません。ただ、私はこの○○の表現が気になります」

そこから、審査員の中でヒートアップする○○についての議論。句を読んだ人の視点をどう置くかで解釈が大きく割れる作品でした。そして言葉と言葉を結びつける表現の適切さはどうか、などなど。

審査風景

▲審査員に配られている冊子から、作品を選定するの様子。

なかなか、決着がつかないこの句の是非。2年前から新俳句大賞の審査に加わっていただいている、夏井いつき先生に向けて、ある審査員が言われました。

「夏井先生添削してよ!!!」

会場が笑いに包まれました。

そして選考は無事に進み、最後に本日の審査を振り返った、俳人の黒田杏子先生から素敵なお話がありました。

新俳句大賞を後押ししていただいた偉大な存在

「何十年も前、新俳句大賞の審査員に金子兜太(かねことうた)先生が加わられた時、周りの俳句関係者から、季語のない俳句の審査はやめてくれという意見もありました。私も色々な句を選句していますけど、このようなさまざまなジャンルの方々が協議する審査会はないし、今回選ばれたような句は出てきません。季語があるかないではなく、こういう鮮度の良い句は、作者の想いとか精神性がダイレクトに刻まれています。金子先生が最晩年まで、この会のために頑張ってこられた事が理解できるようになりました・・・200万句を超えた俳句大会ということで、先生が生きておられたら、冥利に尽きたのではないかと思います。」

金子先生

▲金子兜太先生(現代俳句協会名誉会長、平成30年2月永眠)と過去の審査風景。「新俳句大賞」の発展に多大なるご尽力をいただきました。

このコンテストの意義を理解し、評価して、第一回より真にご協力して頂いたのが金子兜太先生でした。

素人の創作に対して、プロフェッショナルの方々からは厳しいお言葉、厳しいご判断をいただくこともあるかと思います。しかし、金子兜太先生は、「素人さんの素直な感性の表現、それこそが俳句だ」と熱く語られていたことが思い起こされます。

同時に伊藤園に対して、

「やるからには途中でやめるなよ。俺は死ぬまで参加する。」

と言われました。そして、本当にお亡くなりになるその年まで審査員をお務めいただきました。以来ずっと、現代俳句協会様、日本学生俳句協会様など多くの団体様のご協力のおかげで、この会を継続しています。

先駆者の皆様のご理解とご支援をいただいたことに、この場を借りて心より感謝申し上げます。--------------------------------------------------------------------------------------

▲応募概要は公式サイトをご確認ください。

実は、2年前より「新俳句フォトの部」が新設さています・・・!

言葉や写真に想いをのせて、心の風景を書き留めてみませんか。

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